どうして日本では自然エネルギーが普及しないのか?

小林 日本で風力発電については、しばらく前から批判的な声が出ていますよね。あれがかなり足を引っ張っている感じもするんですが、どういうことを批判されているんですか?

飯田 基本的に私は、日本の自然エネルギー市場を四面楚歌と例えています。風力発電が典型的ですが、政策の支援があまりにも乏しい。ドイツのような固定価格制度がないだけでなく、経産省は自然エネルギーを推進するような動きをほとんどしてきませんでした。そして何より、電力会社の独占、つまり送電線ですね。あとは、我々が「ジャングルのような規制」と呼ぶ、非常に複雑な縦割りと硬直した規制。そして、今おっしゃっていた問題は「社会的合意不在」が大きいですね。

3大話といいますが、「鳥」、「景観」、「低周波」(※風車に鳥がぶつかってしまうバードストライク、景観をそこなうこと、風車によって発するといわれている低周波の問題)。

でもね、例えばデンマークでは、そういった反対運動はほとんどないんです。
大きく2つの理由があります。
第1の理由は、あらかじめ風力発電を作って良い場所とダメな場所というように、地域社会との合意のもとで土地利用を分けているんですね。
もうひとつ、もっと大事なのが、風力発電を誰が作って、誰が持っているのかということです。デンマークにある風車の85%は、原則として地域の人が持っているんです。その地域社会に売電の売上が戻っていくので、基本的によそ者風車ではなくてMy風車、とかOur風車という感覚なんです。

小林 風力発電というのは世界でこれだけ伸びている。ならば、なぜ日本では伸びないのか、何が蓋をしているのかと問いかけたときに……。大きくいうと「電力会社の独占」と「貧しい支援政策」があると思うんです。

飯田 圧倒的に、そうだと思います。